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「た、体重！？」

突発すぎる質問に大きく声を上げ、目を丸くさせた。

何故、今女性に体重を聞くのか。これは世間話なのか。
あんなに考え込んでいた先生の姿に不安感を抱いていた自分が馬鹿らしく感じた。

「それは答えられないです！」

即座に拒否したが、それに対して先生は困った表情をする。
何故そんなに困った顔をするのか。先生は今何を考えているのか。
頭の中で湧き出る疑問がぐるぐると回っている。
すると、先生は目を閉じて静かに告げた。

「これでは、君にアシスタントの仕事は任せられないな」

ため息混じりに残念そうにすると、先生は私に背を向けた。
　
「…え、ど、どうしてですか」

私は慌てて背を向ける先生に理由を尋ねたが、先生はもう興味がないのかこちらを向いてくれない。

ここまで来たのに、こんなことで呆気なく終わってしまうのか。
そういえば先程、私は先生になんでもしますと宣言していた。なのに体重を聞かれただけで躊躇してしまい、答えられずにいる自分に対して苛立ちを感じた。
　
こんなことで、憧れの市川先生を失望させたくない。
私は意を決して背を向ける先生に答えた。

「48kgです！」

すると、先生はこちらを振り返り、またメモを取り始めた。
何事も無かったかのようにスラスラとメモを取り、また私の顔を見た。
もう何を考えているのか分からない。次はどんな質問をされるのだろう。
もはやどんな質問が来ても答えようと私は腹を括った。

そして先生は、また顎に手を添えると正座をする私を上から下まで見た。まるで観察しているようだった。
何でも来いと覚悟した私は歯をかみ締めながら身構えた。

先生はデスクに肘をつくと、身構える私に口を開いた。

「脱いでもらおうか」