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君の体温は義務だった

第4章 接続

窓を開けると、湿った風が入ってきた。
遠くで車が走る音。どこかで鳥が鳴いている。
そして、蝉。

「今日も元気だな……。」

俺に少しその体力を分けてほしい。

顔を洗い、歯を磨き、適当に朝飯を済ませて家を出る。
玄関のドアが閉まり、鍵をかける。

いつもの道。
いつもの信号。
いつもの駅。

そして

——いない。

ホームを見渡してから、自分の言動に少し呆れた。

「……何探してんだよ。」

昨日見かけたあの人がまたいるかもしれないと、一瞬思った。

昨日の夜から何度も思い出している。
我ながらどうかしている。

滑り込んできた電車がブレーキ音を立てて止まる。
ホームの向こうに、人影がいくつも流れていく。

その中に、あの人はいない。

……少しだけ、残念だった。

電車に乗り込む。
ドアが閉まり、ガラスに映った自分の顔を見る。
少し眠そうだった。

でも。
いつもより、ほんの少しだけ機嫌がいい気がする。

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