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君の体温は義務だった

第4章 接続

目覚ましが鳴る三分前に、目が覚めた。

最悪だ。
目覚ましより先に起きた日は、なぜか一日を損した気分になる。

まだ眠れる。
そう思って目を閉じた。

——三秒後。

手首が震えた。

「……お前かよ。」

HUG Bandだった。
薄暗い部屋の中で、画面が青白く光る。


【本日の推奨】

他者とのコミュニケーションを意識しましょう。

「……朝から?」

画面を睨みつける。
昨日も見た。いや、昨日どころか最近ずっと見ている気がする。

『他者とのコミュニケーション』
便利な言葉だ。
誰とでもいい。何でもいい。とりあえず人と会話を交わせばいい。
そういう軽さが透けて見える。

「昨日、十三分話してるけど。」

独り言だった。
もちろん、返事はない。

俺はBandの画面を指で軽く叩いた。

「それでも足りない?」

【推奨行動を確認しました】

「そういう意味じゃない。」

【申し訳ありません。質問の意図を理解できませんでした】

「……だろうな。」

布団から出る。
足の裏に床の冷たさが伝わってきた。

カーテンを開けると、朝の光が部屋に流れ込んでくる。
昨日より少しだけ暑い。

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