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中毒の処方箋 〜淫らな輪舞曲〜

第20章 飽食の時。栞(1)

「栞ちゃん、こんなところに来るのは初めて?」

私は隣に座り、静かに尋ねた。声を低く落として。

「いいえ。元彼とは何度か……でも、その彼と別れてからは来てません」

「そうなんだ……今、同棲中の彼とは?」

「今彼とは来てませんよ……お金も勿体ないし……」

声は小さく、途切れがちだった。視線を床に落としたまま、彼女はわずかに唇を湿らせる。薄い唇が、わずかに開いては閉じる。

私は細い肩をそっと引き寄せた。力が抜けたように、彼女は私の胸に身を預けてきた。小さな顔。特に顎が小さく、その顎を指先でくいっと持ち上げると、子猫のような目が私を見上げた。

まぶたが少し震え、瞳の奥に戸惑いと、かすかな期待が混じっている。黒目がちで、光を受けると、わずかに潤んでいるように見える。わずかに開いた甘い唇に、私の唇を重ねる。

柔らかく、少し冷たい。息が混じり合う。首筋に舌先を這わせると、彼女の肌が小さく波打った。耳たぶを甘く噛み、耳の奥へ吐息を吹きかける。

細い指が、私のシャツの前をそっと掴む。ワンピースの薄い生地の下で、細い腰がくねくと揺れる。呼吸が少し速くなっている。鎖骨の窪みに、汗の粒がひとつ、光っている。

ワンピースの上から胸に触れてみた。ほとんど圧力を感じないほど、柔らかく控えめな膨らみ。掌に伝わる熱は微かで、まるで触れられていること自体を拒むかのように、彼女は身体をひねった。

拒んでいるのか、それとも羞恥に耐えきれないのか、表情からは判然としなかった。目を閉じ、唇を小さく噛んでいる。頰が、わずかに赤くなっている。

「先にシャワーを浴びてきて」

私はそう促した。栞はソファから立ち上がり、浴室へ向かう。ドアが閉まり、やがて水音が床を叩き始めた。私はベッドの端に腰を下ろし、部屋の薄暗さをぼんやりと眺めていた。カーテンの隙間から差し込むわずかな光が、床に細い筋を描いている。楽しみはベッドの上で、と決めていた。少しして水音が止む。

「お先に。先生、次どうぞ」

白いキャミソール姿で、彼女は私の前に立った。入社して以来、彼女は私を「先生」と呼び続ける。二人きりのときも敬語が抜けない。薄い生地の下に、白いブラジャーの輪郭が浮かび、下は何も着けていないらしい。陰毛の影が、布越しにほのかに透けていた。

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