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第7弾『薔薇と百合の奇跡』

第1章 『薔薇の館 Rose』

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 ……そんなもっちゃん先生が、ボクを、しかも、フルネームまで覚えてくれていた……

 それは、まるで、奇跡に思えた――

「…なんか、嬉しい……」


 そんな、名前を覚えてくれていた程度でも、ボクは本当に嬉しかった…
 そして、このお店での再会にも――

「え、あ、せ、先生、もしかして、ボクがここに居るの知ってたんですか?」
 期待に胸が膨らむ。

 だけど…
「あ、いや、ぐ、偶然だよ…
 そ、それに、このお店は初めてだし」

 そりゃそうだよな…
 だいたいが、ボクのこの秘かな性癖は、周りには秘密にしているし、親でさえ知らないはずだし、ましてや友達にだって……

 あ、ボクには、友達はいなかった――

 それよりボクには、先生の言葉に、少し引っ掛る…
「え、ここは初めて…って?」

「あ、う、うん、ここは…初めてなんだ…」

 つまり、それは、同じ性癖…
 薔薇族…
 
 そして…

「なんか、じ、純に逢えて…」

 先生の指が、スッと、カウンターに置いたボクの指に触れ…

「純に再会できて…嬉しいよ……」

 先生の指先が、絡まってきた――

「………」
 先生が、逸らずに見つめてくる…

「………」
 ボクの胸は高鳴り…
 淡い期待に、ときめいてしまう。

 絡まる指先に、グッと力がこもり…

「……行く……か?……」
 先生は指先を引き、そう囁いた。

「………はい」
 ボクは、コクンと頷いた。


「ありがとうございました…」

 店を出た途端…
 先生は、グイっとボクの肩を寄せ…
 店の前の公園を挟んで建ち並ぶ、色彩かに煌めくラブホテル街を見つめ…
 
「純に、再会できて嬉しいよ…」

 そう囁き、手を引いてくれる――

 

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