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アシスタントで来ただけなのに…!

第2章 ルイ先生との共同生活




頼まれた物を握りしめて先生の部屋に戻ると、ルイ先生はデスクに座ってペンを走らせていた。



「あの…ルイ先生」



話しかけづらい。まだ慣れていないからか。



もしかしたら新作の漫画を描いているかもとか思うと余計に邪魔になるんじゃないかと躊躇してしまう。



「ん…来たか」



と思ったが、先生は特に困った顔をする事もなくすぐにペンを置いて、私に向き合った。



「えっと…改めましてよろしくお願いします」



ペコッと頭を下げた。



「こちらこそよろしく」



これから始まる先生との生活…ドキドキのような不安のような感じ。



でも憧れの漫画家の隣でサポート?ができるのは大変光栄なことだ。



その環境がお化け屋敷だとしても…?



「早速、書類を貰ってもいいか」



「っあ、はい、どうぞ!」



私は用意してほしいと言われた、給料の振込のためのコピーした通帳や身分証を先生に渡した。



「ありがとう、これらは後で僕が処理しておく」



「はい、よろしくお願いします」




渡した書類をデスクに置いている先生の後ろ姿をチラッと眺めていると、ある物が目に入った。



「っえ…?」



それは薬?処方箋と書かれた袋が山ずみになっていた。



空になった錠剤の入っていたであろう物も転がっている。



「あ、あの…ルイ先生…?」



「ん、なんだ?」



「いや…その…」



先生は何か病気?これらは何の薬?


聞きたいのに突っ込んでいいのか分からない。



「えっと、なんでもないです。すみません」



「そうか」



結局、聞けなかった。



病気とかだったらどうしようと思ったが、聞いてはいけない気がして言葉が出てこなかった。



ただ市川ルイの謎が深まっただけだった。



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