アシスタントで来ただけなのに…!
第2章 ルイ先生との共同生活
「失礼しま〜す…」
ガチャっと扉を閉めて屋敷に入る。
チラッと左の部屋の扉を見たが、すぐに視線を逸らした。
特に焦げた様や臭いもない。
この前のこともあり、そそくさに階段を上がって先生の部屋に向かった。
勿論、荷物は重い。
でも早く先生に、人に会いたかった。
人に会いたいと思うなんてあるのか。
この屋敷にいると、人の傍にいないと怖くて堪らない。
特にあんな女の霊を見た後だと尚更…。
「っよし…やっと着いた」
ルイ先生の部屋の前に着いて、安心したかのように肩の力が抜けた。
そのままズルリと肩にかけてたバッグが落ちそうになった。
私はカバンを持ち直して、扉をノックした。
が、相変わらず出てくる様子はない。
「あの、ルイ先生ー!」
扉の前で呼びかけても反応はなかった。
初めて会った時のことを思い出し、私はドアノブに手をかけてそのまま扉を開けた。
「あの…ルイ先生?」
部屋の奥にはデスクの前に腰掛けたルイ先生の姿があった。
「はぁ…良かった…」
ちゃんと先生は居た。
前と特に変わった様子もなく、デスクの上でペンを走らせていた。
あれから何事もなかったかのようにいるルイ先生の姿に安心した。
「ルイ先生…」
とりあえず荷物を床に置いて、先生に声をかけた。
すると、くるりと先生は振り返ってくれた。
どうやら今日はすぐ気づいてくれたみたいだ。
「あぁ、君か」
なんだその反応と思ったが、特に何も言わずに立ち尽くしていると先生が腰を上げてこちらに来てくれた。
「あの、約束通り荷物を持って来ました」
「ふむ…そのようだな」
先生は私の大荷物を見ていた。
「すまない、出迎えることもできなくて」
「い、いいえ!いいんですよ!先生にもお仕事がありますし!お気になさらず!」
「そうか」
冷たいような冷たくないような…ルイ先生は無表情で口数も少なく、何を考えているのか分からない。
「君の部屋に案内しよう」
そう言うと先生は、私を横切って扉を開けてくれた。
「君の部屋はすぐ隣の部屋だ」
「は、はい!」
スタスタと行ってしまった先生を、荷物を持って追いかけた。
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