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アシスタントで来ただけなのに…!

第1章 鬼才漫画家、市川ルイ




「明日から来れそうか」

 

「明日から、ですか?通いであれば可能です」

 

背を向けていた先生は振り返り、首を横に振った。



「いや、明日からここに住んでもらいたい」



「っえ、それは急すぎます!」



即座に難しいと伝えると、先生はまた悩む仕草をした。



「来週からなら、できると思いますけど…」



「今週だ。今週から住んでもらいたいんだ」



今週?頭の中で今日が何曜日かを考える。

 

「こ、今週って…今日は金曜ですよ!?明後日までに来いってことですか!?」

 

「そうなるな」


明後日までって…。


住むとなれば準備する物も多いし、何より母への説得が難しい。

 

「…来週からじゃだめなんですか?」

 

「そうだな。君に早速任せたいことがある。早急に住んでほしい」



早速任せたいことってなんだろうか。


アシスタントの仕事ではなく、モデルとしての仕事?
 

まさか、またさっきようなことを…。


いやいや!と頭の中で打ち消して、ひとまず明後日までに準備ができるかを考えた。



「それにしても…なんか風俗の面接みたいだった…」


 
先程着ていたブラを着て、ストッキングを履きながらなんとなく口にした。


つい口にした言葉にハッとなった。



「君…風俗の経験があるのか?」



先生の顔はそこに迫っていた。



「い、いえ!決してそんなことは!」



「あのですね!SNSで見たんです!そういった仕事の面接には脱ぐとこもあるとか!」



「ふむ…なるほど」



慌てて否定した。


風俗の経験だなんて、とんでもない。


先生は真に受けた様子はなかったが、すぐさまメモを取った。




「…これは面白い。非常に参考になる」



「は、はぁ…そうですか」



メモを閉じてデスクに戻すと、先生は私に向き合った。



「流石だ。君は優秀なアシスタントだな」



「そうですか…恐れ入ります」



ぺこりと頭を下げて服を着た。



正直、褒められて嬉しかった。


やっぱり憧れの漫画家の傍で仕事できるなら、それがモデルの仕事でもルイ先生が望むならいいのかもしれない。



だってずっと、私の夢だったんだから。



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