アシスタントで来ただけなのに…!
第1章 鬼才漫画家、市川ルイ
「これは君だ」
「…え?」
スケッチブックを受け取り、今描かれたものを見る。
そこには顔は無いが私と同じ髪型をした女性の裸体が簡単に描かれていた。
その女性の裸体は、浴室の鏡で毎日見ている私の体そのものだった。
「す、すごい…」
初めて見る市川ルイのラフ画に感動したが、まだクラクラしていて頭が回らない。
「初めて女性の裸体を見れた、参考になった」
そう言うと、先生は床に脱ぎ捨てられていた白いレースのパンツを取り、私に着させた。
そして椅子で果てている私を起き上がらせて、肩を抱きそのまま立ち上がらせてくれた。
私はフラフラの足で立ち上がり、手に持っていた先生のスケッチブックを渡した。
「…あの、ありがとうございます…」
「なにがだ」
「えっと、綺麗に描いていただいて…」
当たり前だが、決して先程の行為についての感謝の言葉ではない。
「ただ、先生…参考になったとはいえ、こんな行為をする必要があったのでしょうか…」
「僕は隅々まで参考にする、意味はあった」
本当に意味があったのだろうか…?
下着を脱いで裸体を見るだけじゃ駄目なのか…それだけじゃ足りなかったのか…。
参考になったとはいえ、あまりにも過激すぎだ。
「もう服を着ていいぞ」
先生は先程描いたスケッチブックとメモを見合わせている。
私はそそくさに脱ぎ散らかした服をかき集めて、一つずつ着ていった。
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