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脳内ショートストーリー

第7章 【一ノ瀬 楓と樫木 愁也〜ワンナイトの恋?〜】






あれから記憶を辿り、あの夜、
飲んでいたBARに何度か足を運んでみた
案の定、彼女は現れる事もなく
軽く一杯飲んで帰る日が続く
仕事でも何度か顔を合わすけど
何一つ進展はない
仕事じゃ、邪魔が入るし
打ち合わせが終われば颯爽と帰っていく
当たり前だけど



飲みの誘いを断ってまでBARに通いつめるの何でだ?
これではっきりしたじゃないか
あれっきりのワンナイトだって
大人の関係でいて、大人の対応をしようって



それなのに………
帰り道とは逆方向のBARの扉を今夜も開く
女々しいよな
ストーカーと勘違いされたらどうするんだ?
もうやめよう、と思うのに
もしかしたら今夜こそ…と期待してしまう
がっかりするだけなのに



カラン…と扉のベルが鳴り、
カウンターの中に居るマスターと目が合う
「いらっしゃい」といつもの席に案内されるかと
思いきや先客が居たようだ
少し離れた席に案内されかけたけど
僕の目は一瞬で止まる



間違いない、見間違えるわけがない
彼女の後ろ姿だったし、奇跡的に隣が空いている
迷わず「隣、良いですか」と声を掛けた
振り向く彼女もマスターも少し驚いた表情
動揺する事なく「どうぞ」と言ったのは彼女だ



ついに、この時が来た
格好つけて彼女と同じお酒を注文する
チラっとこっちを見たチャンスは逃さない
思いきり目を合わせた
これで言い逃れは出来ないよな



「覚えてますか?僕の事」



僕からの問いに身体ごとこっちに向いた彼女



「覚えてますよ、樫木さん」



顔色ひとつ変わんないんだもんなぁ……
その真っ直ぐ過ぎる視線に囚われて動けなくなる



「仕事の事は一旦置いておきましょう、プライベートでの質問です、仕事で会う前に一度、お会いしてますよね?」



やべぇ、ずっと見られてる
その視線にヤられるんだって
何でもないフリしろ



「うーん……お会いしました?」



「えっ!?」







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