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paradise lost

第1章 overture

俺と悠理は自分のクラスを知るために校舎前にある掲示板に向かう。すでに掲示板の前には新入生が数多く集まっていた。俺と悠理は何とか人混みを避けて掲示板で自分のクラスを確認する。
(ソウの…クラスは…どこだ?)
俺は自分のクラスを探そうとしているふりをしながらソウのクラスを探した。ソウはA組だった。俺はA組の生徒を確認する。
「僕と滝澤くんはC組みたいですね」
俺と違うクラスを確認していた悠理が俺に現実を突き付ける。悠理は思わず呆然と立ち尽くす俺の視線を追った。
「………玉木くんはA組なんですか?」
「あ?ああ…」
俺は自分でも情けないくらい動揺していた。
「……滝澤くんは玉木くんと何かあったんですね」
「………色々な…」
何もないと言い切りたかったが、ここまで動揺しておいて、ソウと何もないと言っても苦し過ぎると思った俺は悠理の言葉に曖昧に…だが肯定した。悠理は抜けている所はあるが、空気自体が読めるらしく、これ以上ソウの事を話題に出すことなく 俺と一緒にC組に向かう。






「出席を取りますから、返事とついでに自己紹介をお願いします」
担任の東雲が生徒達に自己紹介を促す。まだ席替えが行われないため席の順序は右側から五十音順に並んでいる。一番右上の石井が自己紹介を始めた。俺はクラスメイトの自己紹介を聞き流しなら、ソウの事ばかり考えていた。
(まさか…こんな所でソウと再会するなんてな)
ソウとは一生会えないものだと思ってたのに、こんな予想外の再会をするなんて思ってもいなかった。しかも高校生になったソウは俺の想像を遥かに超えるほど、キレイなっていた。あれではソウを狙う人は数知れないだろうな…。ソウと会えて嬉しいと思う一方気になる所もある。そのひとつが『玉木』と言うソウの苗字、なぜソウは両親の苗字を名乗っていないのか?母親は今、どうしているのか?とかソウに聞きたい事は山程ある。
「……い、おい…おいってば」
「あ゛?」
後ろの男がしつこく俺の背中を突付く。ソウの事を考えていたのを邪魔された俺は思わず素に戻って応じてしまう。
「いや、自己紹介…お前の所で止まっているぞ」
気が付くと担任とクラスメイト達が俺を注目している。

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