
paradise lost
第1章 overture
俺は孝太郎に渡された新入生代表の挨拶の原稿を暗記していた。海斗は仕事から帰って来たばかりだと言うのに、いそいそと晩御飯の支度に勤しんでいる。
「俺も手伝おうか?」
「良い、原稿の暗記でもしてろ」
「……一応、俺も料理出来るんだけど?」
俺が手伝いを申し出るが海斗に素っ気なく断る。あまり素っ気なく断るから俺は少し喰い下がってみると海斗はやれやれとため息を吐いた。
「それ以前の問題だ…良いからお前は大人しくしていろ」
俺はこの気難しそうに見えて底なしのお人好しの養父に肩を竦めた。俺がピアノを習っていた事を知った海斗はピアノの付きマンション、今のマンションに引っ越した。物好きと言うか、お人好しと言うか。
「出来たぞ、一先ず続きはこれを食ってからにしろ」
俺は原稿を片付けて、海斗と一緒に夕食を食べる。意外と料理が上手い海斗は今日は肉じゃがを作ってくれた。
「とうとう蒼も高校生か…」
「そんなしみじみするほど長い付き合いじゃないだろ?」
俺と海斗が出会って今年で三年目だ。短い…とは言えないが、決して長いと言える時間ではないことは確かだ。俺の言葉に海斗はやれやれとため息を吐いた。
「そんなにしみじみしてしまうほど、色々あっただろ」
「あーそれは確かに…」
海斗と出会って三年間…嵐のように慌ただしく過ぎ去った三年間…確かに思わずしみじみしてしまうほど海斗に迷惑を掛けた気がする。海斗は自分が作った肉じゃがを口に運ぶ。
「……迷惑を掛けられる分には構わないが、お前はすぐに無茶をするから…」
げんなりしている海斗に、心配を掛ける自覚がある俺は肩を竦めるしかなった。首を横に振って気を取り直した海斗。
「過去の事をいつまでも気にしても仕方ないが、高校くらいは普通に過せよ」
「中学だって、極々普通に…普通に…」
「……自分で言っておいて途中で自信を無くすなよ」
普通に過ごしていたと言おうとして途中で自信をなくして言葉が尻すぼみになった俺に、海斗は頭を抱えた。
「へぇ…君が玉木 蒼くんか…」
入学式のリハーサルに来栖学園の体育館に来た俺に、生徒会長の東雲が絡んで来た。ってか入学式は明日なのに、生徒会長が俺ひとりに構ってて良いのだろうか?
「俺も手伝おうか?」
「良い、原稿の暗記でもしてろ」
「……一応、俺も料理出来るんだけど?」
俺が手伝いを申し出るが海斗に素っ気なく断る。あまり素っ気なく断るから俺は少し喰い下がってみると海斗はやれやれとため息を吐いた。
「それ以前の問題だ…良いからお前は大人しくしていろ」
俺はこの気難しそうに見えて底なしのお人好しの養父に肩を竦めた。俺がピアノを習っていた事を知った海斗はピアノの付きマンション、今のマンションに引っ越した。物好きと言うか、お人好しと言うか。
「出来たぞ、一先ず続きはこれを食ってからにしろ」
俺は原稿を片付けて、海斗と一緒に夕食を食べる。意外と料理が上手い海斗は今日は肉じゃがを作ってくれた。
「とうとう蒼も高校生か…」
「そんなしみじみするほど長い付き合いじゃないだろ?」
俺と海斗が出会って今年で三年目だ。短い…とは言えないが、決して長いと言える時間ではないことは確かだ。俺の言葉に海斗はやれやれとため息を吐いた。
「そんなにしみじみしてしまうほど、色々あっただろ」
「あーそれは確かに…」
海斗と出会って三年間…嵐のように慌ただしく過ぎ去った三年間…確かに思わずしみじみしてしまうほど海斗に迷惑を掛けた気がする。海斗は自分が作った肉じゃがを口に運ぶ。
「……迷惑を掛けられる分には構わないが、お前はすぐに無茶をするから…」
げんなりしている海斗に、心配を掛ける自覚がある俺は肩を竦めるしかなった。首を横に振って気を取り直した海斗。
「過去の事をいつまでも気にしても仕方ないが、高校くらいは普通に過せよ」
「中学だって、極々普通に…普通に…」
「……自分で言っておいて途中で自信を無くすなよ」
普通に過ごしていたと言おうとして途中で自信をなくして言葉が尻すぼみになった俺に、海斗は頭を抱えた。
「へぇ…君が玉木 蒼くんか…」
入学式のリハーサルに来栖学園の体育館に来た俺に、生徒会長の東雲が絡んで来た。ってか入学式は明日なのに、生徒会長が俺ひとりに構ってて良いのだろうか?

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