クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜
第13章 カンドゥラ沖の戦い(仮タイトル)
ムーンブレイドのコックピットの中で慌ただしく指を動かすキアラ
“……簡単に言ってくれちゃって!
ひとりで管制操作するのがどれだけ大変か
アンタならわかるでしょうが!
もともとアンタの機体なんだから…!!”
ムーンブレイドが蜘蛛のような長い脚を持ち上げ、巨大な機体が立ち上がろうとしていく
まるで巨大な戦艦を直立させたかのような異様な光景
「しつこいよ、虫けらッッ!!」
ムーンブレイドは全身の機体からビーム砲を一斉掃射すると、どぉぉっと地響きを立てながら周囲一帯が火の海と化していった
ムーンブレイドの上空には大型船イビザが滑空していく
「どうした、キアラ?そんなもんか?
ムーンブレイドはまだ本来の力を出し切れていないぞ?」
「うるさいッッ! アンタが乗れなくなったからわざわざ私が乗ってやってるんじゃないか!」
「ふふふ、たしかにお前は私の代わり
〈オルタナティブ〉にしか過ぎない…
まぁ、それも良い
本当の敵と出会う前にメガ粒子砲やらヴェスパーやら高出力兵器を使われてエネルギー切れを起こさなくて済むからな
せいぜい頑張りなさい、キアラ」
「言われなくったって!」
「丘を越えて平野を抜ければもう黒海に出るわよ、じゅうぶん警戒して」
再び巨体を横たえて蜘蛛のような姿になるとムーンブレイドは焼け野原のようになった敵の残骸を乗り越えて一路カンドゥラの沖合いを目指すのだった
イビザも上空を旋回しながらムーンブレイドに続いていく
「オーロラも座ったら? 一旦フリューゲル部隊を収納するわ、これから敵のカタストロフィーマシーンと対峙する前に態勢を立て直すわ」
艦長席の横の司令官席に座ったオーロラはブリッジから臨む黒海の水平線を眺めていた
「ようやく相まみえるわね、わたしのムーンブレイドが勝つか、敵のマシーンが勝つか」
「わたしの?」
「ええ、キアラには限界が近付いている
どこかで切り捨てないと……」
エミリーはオーロラの非情さに凍りつく
何年も育て上げた分身とも言える少女をオーロラは簡単に見殺しにしようと言うのだろうか
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