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シャイニーストッキング

第18章 ほつれるストッキング2          蒼井美冴と松下律子

 78 融ける夜(31)

「やぁっ、あぁぁ…」
 わたしは浮かんだ俯瞰の映像に、思わず喘ぎを、いやこれは、愉悦の悲鳴なのかもしれない。

「りつこぉ、どおしたのかなぁ?」
 そして敏感なみさえさんは、このわたしの喘ぎの変化に違和感を感じたみたいに…
 
「ほらぁ、どおして欲しいのぉ、さぁ、りつこぉ、本当の自分をさらけ出しなさぁい」
 さり気無く、そう囁いてきた。

「え、あ、あぁぁ…」
 そのみさえさんの何気ないその言葉に、わたしの心は一気に緩み、ううん、融けてしまう。

 だから、わたしは…
「あ、ち、違うのぉ、ゆ、優、ゆう…くん、あ…や、んん…」
 
「え……」

 わたしはこの普通ならば、この異常といえる、予想だにもしなかったこの展開に、ううん、本来ならば、わたしとあの人との関係を鑑みれば、敵対的な立場といえるこのみさえさんとのビアンというシチュエーションに…
 それに、こうして今、抱かれ、愛され、わたし自身から進んでみさえさんを求めているこの流れに…
 そしてまた、みさえさんからの催眠的な
『本当の隠している自分』という囁きに…
 すっかり、わたしの隠し続けていた、本当のわたし…
 それはわたし自身にとっての禁断で禁忌な過去を表へと露わさせる、誘引のキーワード。
 
『優くん』
 高校三年時、禁忌の関係を持ってしまった三歳下の義弟…
 その彼との経験により、わたし自身の淫らさを怖れ、仮面を被り、心の奥深くにこの禁忌というコンプレックスを隠すきっかけとなった存在。

「え、あ、い、いや、ち、違うの…」
 思わずその名前を漏らしてしまった…
 ううん、漏れてしまったほどに、心が揺れ、カラダが感じ、いや…
 このみさえさんに、すっかり心を許してしまっているのかもしれない。

「…ううん…違わないわ、いいのよそれで…
 本当のりつこをもっとわたしに見せてぇ…
 さぁぁ、どうして欲しいのぉ?」
 さすがに、その『優くん』という存在は、みさえさんにも想像だに出来ないであるのだろうが、聡明なみさえさんには、わたしの見えない、いや、隠しているコンプレックス、嘘の仮面が、まるで見えているみたい。

 みさえさんとひとつに融けたいーーー
 
 これはあの人にも感じたことのない感情…
 そして、このみさえさんになら…
 
「あ…ゆ、指を…い、弄ってぇ…欲しいのぉ……」



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