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言ノ葉

第1章 生き続ける

もう、馴れてる。はずなのに…
これなら中学時代の同級生が多く通う公立高校に通えば良かった。
そうすればこんなに寂しい気持ちにはならなかったはずなのに。

えみには友人がいなかった。人見知りなえみは今の高校に通い始めてから友人がなかなか出来ずにいた。
見た目がよければあるいは…などと言い訳を自分自身に対してしていたが、原因はそうでないのは明らかだったし、えみ本人も半ば気付いていた。

勉強は嫌いじゃないし、学校も嫌いじゃない。
特別、いじめられていた訳でもなかったが、一人で教室に佇む。それがえみには辛かった。
どうせならいじめて欲しい。そうすれば、もしかしたら…
…くだらない考えが頭をよぎる。


周りでは昨日見たテレビの話、流行りのファッションの話、好きなアイドル…そして、恋愛の話。

あぁ、まざりたいな。
好きな人なんていやしないけど、私もまざって話をしたいな。
それでも出来ない。
私みたいなブサイクが…
オシャレな服を着たところでブサイクはブサイク。私みたいなブサイクにファンになられたらアイドルだって迷惑。
そんな話をしている自分を想像するだけで笑えてきてしまう。


そんな淡々とした高校生活も終わりを告げ、えみは大学に合格した。
都内の有名な私立大学だ。
別段、都内への憧れは無かったが、母の薦めと友人が少なかった高校時代の自分を変えるためにも、自分を知らない新たな場所に行きたかったからだ。
しかし、それだけでは今までの自分を変える事は出来ない。
見た目を変える。
かと言って、整形をするのはなんだか親に申し訳ないし…
とにかく痩せよう。そうすれば多少なりとも自分の気持ちが変わるはず。
えみは卒業間際からダイエットを始めた。


大学で新たな自分になるために。

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