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もしも、君を愛せたならば

第10章 ガラム

〝そのタバコ、何て読むの?〟

結局、ベッドに腰掛けて
タバコに火をつけた和也に
私は横になったまんま聞いた。

〝あぁ、これ?
 GARAM(ガラム)〟

〝ガラム?
 へー・・・初めて見たっ〟

〝一本いる?〟

〝やだ、いらない
 タバコ吸わないもん〟

私はそういうと
口までシーツで覆った。


煙をフーっと吐くと
和也は言った。

〝女がタバコなんか吸うなよ、
 絶対。
 元気な子供、産めねーぞ〟

20歳の男子の意外な言葉に
私はまたふき出す。

〝・・ププっ!!
 またオヤジ臭いこと
 言ってる~!!〟

〝なんで笑うんだよ!
 夏帆の為に言ってやってんのに〟

片手でシーツの上から
私をくすぐってきた。


〝そうだね、ありがと。
 和也さん、優しいね。
 そーゆー昭和っぽいとこ
 好きだよ〟

〝・・・・マジ?〟

〝うん、マジだよ〟

〝でも、昭和っぽいってのは
 なんか納得いかねーなぁ〟

〝あはは!!〟



私は、
今まで付き合った男の子と
全く違うタイプの和也を
本気で好きになっているのが
自分でもわかった。

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