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もしも、君を愛せたならば

第39章 旅行

タクシーを拾おうと思ったけど
駅前には一台も無かった。

人通りもなくって
心細くなった私は
コートのポケットから
ケータイを取り出した。


「・・・和也ー」



呼び出したりするのは
得意じゃない。
そうは言いながらも、
電話をかけてみる。



2、3回コールしたら
プツンと切れた。


「あ、和也・・・??

えー!?
・・・うそー!!?」


繋がらないまま
私のケータイは充電切れになった。




どーしよう。

途方に暮れたその時
ちょうど背後にバイクの音がして
思わず振り返った。



「あっれ、お前まだいたの?
帰んないの?」


リョウ君だった。

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