テキストサイズ

もしも、君を愛せたならば

第39章 旅行

私は、
憎めない店長から頼まれて
ラストまで入ることになった。


外に出ると、
引き受けたことを
後悔しそうなくらい寒い。


バイト先があるM駅まで一駅。
私は、駅まで走った。

左手の慣れない指輪を気にしながら
電車に揺られた。





店は、案の定
忘年会の予約がいっぱいで
いつも以上に騒がしかった。



「あれ?!今日入ってた?!」


「あ、ううん。
店長が・・・」



ロッカールームに入ると、
手前で休憩中だったリョウ君に
声をかけられた。


「応援って夏帆ちゃんの事か!
今日ヤバいわ。
マジ助かった!!」




リョウ君は、二つ年上の大学生。
私よりバイト歴も長くって、
リーダーぽい存在だった。

はじめてここで出会った時は、
無愛想で近寄り難い、
そんな印象だったけど、
バイトの入れ替わりが激しいせいか、
ずっとここでバイトしてる私には
時々冗談を言ったり
からかったりしてくる。

ハッキリした性格で
頼りになるから、
店長からも頼りにされてて
私も実際、店が忙しくっても
リョウ君がいれば、
何となく安心出来た。

そんな存在だった。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ