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もしも、君を愛せたならば

第38章 欲しい

クリスマスももうすぐ終わる。

俺と亜矢は、
駐車場の車まで小走りで向かった。

「寒ーーッ!!」


亜矢は助手席に乗り込むと
両手に息を吹きかけて
脚をジタバタしていた。

俺は、
子供みたいな亜矢に少し吹き出して、
キーを回すとエンジンをかける。


「何笑ってんの?」



そういう亜矢を横目に、
俺はハンドルを握ると
車を走らせた。



「寒い?」



俺がそう言うと、
寒いクセに、亜矢は首を横に振る。


俺は、
亜矢が欲しくて欲しくて、
けど、冷静を保って車を走らせる。

そんなこと、
フツーかもしれないけど
俺も少しは大人になったのかなんて
訳の分からない余裕に浸った。



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