テキストサイズ

もしも、君を愛せたならば

第38章 欲しい

俺と亜矢は手を繋ぎながら
ツリーを背にして
出口のゲートに向かう。


「ねぇシン、また来ようね?」


「あーまたな」




ちょうど、少し前に
小さな子供を一人連れた家族がいて
俺はボーっと見つめながら歩いた。


いつか、俺もこんな風に
亜矢と子供と、3人で歩きたい。
そう思うと、ますます亜矢が愛しい。


10代の頃は、
ただ亜矢が側にいればいい、
そう思っていたけれど、
20代になってからの俺は
こんな事を思う事も多くなった。


らしくないとは思いながらも
そんな思いに夢は膨らんで
俺も随分大人になったなんて
その時は思っていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ