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もしも、君を愛せたならば

第38章 欲しい

「シン?どしたのッ・・・?」


俺は亜矢をギュッとして
離さなかった。


「亜矢、ありがとな」


「シン、
 前から欲しがってたでしょ?」


「うん。マジで嬉しい」




俺は、
子供みたいに笑って
何度も亜矢にありがとうと言った。

そんな俺を見て
亜矢はずっと笑っていた。

この笑顔を一体どうすれば
永久に側に置いておけるのか、
そう思うと、
俺はまた亜矢を抱きしめて
離さなかった。


あんな事があってから、
亜矢はいつかスルリと抜け出して
俺の隣から消えてしまうかも、
そんな事を時折思う様になった。

その不安が、
何度も亜矢を欲しいと思わせて
意外と自分は弱いなと思った。

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