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もしも、君を愛せたならば

第35章 クリスマスイブ

付き合った頃みたいに
シンの顔が近いとドキドキする。

もう、何年も一緒にいるのに
シンにはドキドキさせられっ放しで
心臓はちっとも免疫を覚えない。

私はシンの大きな手に
そっと指先を絡めて
うつ伏せになって
こっちを向いているシンを
ジっと見つめてみた。



「シン・・・
 
 大好きだよ・・・」



そう伝えずにはいられなくて
思いの丈を伝える。


するとシンも、
うつ伏せのまんまで
絡めた指先をギュッと握って
こっちを見ながら言った。



「亜矢、愛してる」



愛してるなんて、
シンに言われたのは初めてで
すごく特別な言葉に感じた。





20歳のクリスマスイブ。

今でも忘れられない。

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