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もしも、君を愛せたならば

第35章 クリスマスイブ

信号が変わって走り出して
シンは無口になった。

シンが運転してる姿は
たまにしか見ないから、
何だか緊張した。



「ねー、シン
 どこ行くのー?」



「内緒」




そう言われて、
私はドキドキしながら
助手席で一人ソワソワした。



暫く走って、
海が見えるレストランに到着した。
私が見つけて、
ずっと前に行きたいと言ったのを
シンは覚えていてくれた。


イブのおかげで、
カップルばかりだった。

雰囲気のせいか、
心なしかシンは
いつもより大人っぽく見えて、
はしゃいでばかりの私とは反対で
落ち着いた物腰にまたドキドキした。



お店は、ホテルの一階部分にあって
食事のあとエントランスに向かわずに
シンは奥のホールに向かっていった。


私は黙って後を追いかけると
シンはエレベーターの前で止まって
私の荷物を持ってくれた。



エレベーターでかなり上まで上がると
客室の階で止まって、
静かな廊下が広がっていた。



「うそッ!!!泊まるの!??」



ピョンピョン跳ねる私を置いて
シンは部屋に向かって歩いた。

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