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もしも、君を愛せたならば

第35章 クリスマスイブ

車に乗り込むと、
すぐに走り出して、
両手にケーキを持ったまんま
私は座っていた。


外はすっかり暗くなってて
今にも雪でも降りそうな位
冷え込んでいた。


大通りの長い交差点で
シンが両手のケーキに気付いた。


「お前ッ、なんで持ってくんだよ!
 もーあのババア!
 いらねーって言ってんのに!」


「でもホラ、
 ラップに包んでくれてね、
 見てー!イチゴも挟んであるよ!」


シンは、
私の手からケーキを取り上げると
一口で口に入れた。

最後に、イチゴだけを
私の口に入れてきた。


「んーーーーッ!!
 アタシも欲しかったのにぃ!」


信号待ちのシンに向かって言った。

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