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もしも、君を愛せたならば

第35章 クリスマスイブ

シンはすぐに戻ってきて
勢いよくドアを閉めた。

「どしたの?」


「どーしたもこーしたもねーよ。
 ケーキ要るかとか、
 何食いたいとか、
 もー俺小学生じゃねーよッ!!」


「ケーキ??食べたいッ!!」


「ダメ。もーダメ!!!
 今日は出かけんの!!!
 
 亜矢ッ!!!
 もー頼むから大人しくしてッ!!」



シンは、息を切らしながら言った。


「・・・はーい」




私がそう言うと、
すっかり暗くなった外を見て
出掛ける準備をした。



「姉貴ー!!
 車借りるわー!!」


「なんだーもう出掛けんの?
 ケーキあるよ?
 食べるー亜矢チャン♪」


「シンがダメって・・・」


「もーホント変なヤツ!
 ねーッ」


シンは玄関先で
車にエンジンをかけている。

すると、シンのお母さんは
手作りのケーキを切って
ラップに包んで持ってきた。


「はい、
 亜矢チャンとシンの分ね~!
 気を付けてね~」


「もーお母さん!!何それ!
 亜矢チャン困ってる!!」


私は思わず笑ってしまって
お姉ちゃんも笑ってた。

ホントに、
シンの家族は仲が良くてあったかい。



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