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もしも、君を愛せたならば

第8章 リアル

暫く歩くと

〝お姉さーん、
 どっこ行くの~?〟

静まり返った駅前で
背後から突然
軽い風な男の声がして

私は言葉を失った。

ヤバい。
ナンパ?


私は怖くて
動けなくなった。



すると

〝女の夜道は危険だって
 言ってるだろ~?〟

その一言で
一気に力が抜けた。

〝和也・・・さん・・・??〟

〝ははっ!!
 その、和也さんっての、
 やめてくんない?
 和也でいいよ。
 
 ハイこれ、忘れてたろ〟

そう言って、
ジーンズのポケットから
私のピンクのケータイを
差し出した。


〝ケータイ無くて
 夏帆ちゃんが
 困ってるんじゃないかなーと
 思いまして♪〟

〝・・・!!
 思いまして・・・?
 プッ・・・!!
 なんで敬語~!!
 ちょーウケる!!
 
 夏帆、でいいよ〟


ホッとして
私は涙目になった。

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