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もしも、君を愛せたならば

第35章 クリスマスイブ

シンは、イブもバイトで、
でも夕方には帰れると言って
6:30には私の家を出て行った。

一昨日までは
すっかり沈んでいた心が
一気に希望に満ちて、
シンを見送った後も、
まだ温かいベッドで暫く過ごした。



すると、
7:30頃、お母さんに呼ばれた。

「亜矢ー?
 朝食いるのー?」


キッチンから匂いがして
私は階段を駆け下りた。



「あら亜矢、起きてたのー?」


「あ、あぁ、そう、
 めずらしく早起きしちゃった。

 えっと、今日デートだし。
 多分!!」


「はいはい、どうぞご自由に。
 目玉焼き、いる?」


「あ、いるいるー!!
 これは?お父さんの?」



うちの家族は、
皆一緒に朝食をとることが多い。

お母さんが用意を始めたら
一緒に手伝ったりしているうちに
お父さんが起きてくる。

お母さんは、
お父さんの為にお味噌汁を作って、
私の為にいつも
ホットサンドを作ってくれる。


当たり前の朝食の光景だけど
いつかは自分もこんな風に
家族と食卓を囲むのかなと思うと
なんだか照れ笑いしてしまった。

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