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もしも、君を愛せたならば

第30章 嘘

俺はそう言うと、
レイナを残してトイレに立った。

だいぶ酔いが回ってる、と
自分でも自覚していた。

トイレでケータイを見ると
22:00を過ぎていて
俺は亜矢に電話した。




プルルルルルルッ


プルルルルルルッ


プルルルルルルッ



亜矢は出なくて、
また直ぐにかけ直した。


何度呼び出しても
亜矢は電話に出なくて
少し苛々しながらも
トイレを出た。



すると
トイレの入り口の暗い通路に
レイナは一人で立っていた。




「電話・・・
 
 繋がらないんだぁ??」


そう言われて
亜矢に対してなのか、
レイナに対してなのか、
俺は無性に腹が立って
ポケットにケータイを突っ込むと
サラリと言った。


「お前にカンケーねーよ」


レイナの前を通り過ぎようとした。


するとレイナは
俺の背中にピタリとくっついてきた。

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