テキストサイズ

もしも、君を愛せたならば

第6章 セックス

静まり返った寝室には
帰宅後の夫の動きが
全て音で伝わってくる。

キッチンでタバコに火をつけ
ケータイを見ている。

ケータイを充電器にセットして
そのあと、シャワーを浴びる。

寝る前にも
またタバコを一本吸ったあと
寝室に足音が近づく。

この瞬間が
私は何より緊張するのだ。

リビングの明かりが消され
夫が寝室に入ってくる。
私は、寝たふりを続ける。

3組の敷布団。

いつもは手前の布団に夫。
真ん中の布団に子供たち。
そして一番奥が私。

夫がそのまま
手前の布団に入って
そのまま眠ってくれれば
なぜか私はホッとする。

だけど当然
手前、真ん中と通り過ぎ、
私の隣にくる時がある。

そのときの私は正直
眠さも合わさって
何とも言えない
苛々とした気持ちになる。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ