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もしも、君を愛せたならば

第22章 タクミ

〝ねータクミ、ゴメンね。
 
 あたし・・・
 好きな人出来たから〟





勿論好きな人なんていない。
だけど、
この言葉を言いたかった。

今やっと、
言える気持ちになった。


〝あ~やっとあたしも
 タクミから卒業だぁ!!
 
 イロイロありがとね!〟


〝んだよ・・・それ〟


タクミは腑に落ちない、
そんな様子だった。


でも、それでよかった。
私の心は、晴れ晴れしていた。


〝まぁ、彼女の事
 大事にしなよッ!!!〟


〝・・・んだよ。
 そんな事言うなって〟


その後、何を話したか
今では覚えていないけど、
暫くして電話を切った。


長い間、
どこにも行けなかった私の心は
その日、タクミという檻から、
ようやく解放された。

タクミにはそれっきり
連絡することも無くなった。


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