テキストサイズ

もしも、君を愛せたならば

第5章 不満

部屋に入ると
リビングのソファに
バッグを放り投げて
夕飯の準備にかかる。

二人は、手を洗ってうがいをし
仲良くテレビをながめている。

言わなくても、
自分たちでやってくれる。

大きくなったものだな、と
日々成長を実感しながら
手早く夕飯の準備を済ませる。

〝お待たせ~。
 遥斗はおかゆにしようね〟

なぜか、おかゆが大好きな二人。
きっと、特別感があって
好きなんだろう。
ずるい、と長男が言う。

〝隼斗は元気なんだから
 しっかり食べなきゃ
 ダメでしょ??〟

そういうと、
渋々自分のご飯に手を付けた。

次男の傍に座ろうとすると

〝ママはやることいっぱいなんだから!
 はると、自分で食べないと
 お兄ちゃんになれないぞ〟

隼斗は
いつもこうやって
私を気遣ってくれる。

きっと、
忙しいのが分かっているのだ。

いいのか悪いのか
それに甘えて
私は二人が食べている間に
大人の食事を作る。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ