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もしも、君を愛せたならば

第5章 不満

大きな交差点を渡って
自宅のあるマンションに着いた。

郵便受けを開けていると
隼斗がエレベーターの前で

〝ママ!走れ!〟

と呼んでいる。
時間のロスな無いように
いつも先にエレベーターを
呼んでおいてくれるのだ。

〝ありがと隼斗。
 でも「走れ」じゃなくて
 「走って」にしようね~〟

という私に

〝はいはい〟

と背を向けたまま返事した。
誰かさんにそっくりだ。

7階に到着すると
熱があるにもかかわらず

〝待て!!!!俺が先だ!〟

と、二人が部屋まで
勢いよく走りだした。

〝あ、コラ!廊下は走らなーい!!〟

と言いつつも
制止させる余力もなく
そのまま突き当りの
701号室まで歩く。

すぐに調子に乗る。
元気すぎる二人。


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