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もしも、君を愛せたならば

第21章 同窓会

すっかり盛り上がって
皆好き好きに話している。

私は、トイレに立った。



来なきゃよかった。
皆に会えたのは嬉しいけど
目の前にいるタクミが
目も合わせてくれなくて
帰って苦しい思いをしたから。

怠そうにトイレから出ると
そこにはタクミが立っていた。



〝よっ!〟


〝・・・タ、タクミっ・・・〟


思わず、涙目になったけど
並ぶように壁にもたれて
見せないようにした。


〝相変わらず、ベッピン〟


〝・・・〟


また、そーいう事を言う。
私は、俯いたまんまだった。


すると、タクミは言った。


〝・・・ゴメンな?〟


〝な、何が???〟


〝いや、無視して・・・
 お前、なんか言いたそうだったから〟


そう言われて、
なんだか糸が切れた。


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