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もしも、君を愛せたならば

第14章 亜矢の恋






〝ほら、
 ここなら誰も来ねーから。
 
 落ち着くまで泣けば〟


先輩と私は、
上履きのまま外に出て
運動部の部室裏まで来た。



お昼休みで、
それなりに辺りは騒がしいけど
先輩の言うとおり、
ここには人気はなかった。



先輩は黙って座り込むと
またタバコに火をつけた。






私は、
やっぱりバカだった。


こんなにお説教をされても
堂々と校則を破る先輩を
なんだかカッコいいと思った。


この小さなトキメキは
さっきの恐怖を少しの間
忘れさせてくれた。

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