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もしも、君を愛せたならば

第14章 亜矢の恋

〝ああー悪ぃ。

 ・・・やなこと思い出したな〟


先輩はガシガシと
金髪の頭を掻きながら
階段の踊り場で足を止めた。


〝・・ふッ・・・
 


 う、え・・・
 コワかったぁ・・・〟


私は、
涙が止まらなかった。


〝・・っう・・・うー・・・〟





矢島先輩は、
ちょっと迷ってから
ポンポンと頭を撫でると
私を階段に座らせた。


〝あのなー、三浦だっけ?
 

 こんなこと、
 俺だって言いたくねーよ?
 
 でもな、
 お前の為に言っといてやる。


 あんな、女ってーのはなぁ、
 男より弱ーんだから。
 
 あーゆー事になんねーよーに、 自分で自分を守るしかねーんだよ。


 わかる?〟


〝・・・・っく・・・・〟



〝だからぁ、
 短いスカートとか!
 派手な髪とか!
 
 男をチョーハツすんのは
 やめとけなって事〟


〝・・・う~っ・・・〟




〝まーでも、
 とにかく、
 水野はこれ以上
 お前には何も言わねーよ。
 
 俺がいる限り!〟



そう言って、

矢島先輩はケータイを
チラつかせる。



私は泣きながら
頷いた。

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