
燕尾服は似合わない
第3章 初めての仕事
「制服…ちゃんと着るので…許していただけませんか…。」
縋る気持ちで、伊織に土下座してみた。
「もう一度言います、拒否はできません。」
ダメだった。
俺は重い足取りで、ハンガーラックに向かう。
「悔しい…こんなのってないぜ…。」
「…そこまで屈辱的に感じられるのであれば…退学を選ばれても構いませんよ。」
「…着りゃいいんだろ、着りゃ…っ。」
ここまで来たらもうやけくそだ。
俺は並べられた燕尾服の中から1着を掴みあげた。
「…ふーん…。」
思ってたより重い。
高級感のあるそれは、見た目以上の重量感だった。
ふと、今朝の伊織を思い出す。
こんな重りをつけていたとは思えないほど、彼の動きは軽やかだった。
歩く時も
俺を拘束する時も
俺の拳を掴む時も。
彼は…一体何者なんだ。
「…どうかいたしましたか?」
不意に声をかけられ、我に返る。
「ああ…いや。なんでもねえ。」
執事修行をしてたらあのくらい当たり前なのだろう。
俺はそう自分に言い聞かせた、伊織に視線を逸らして制服に手をかける。
「おや……こちらで着替えられるのですか?」
「…別にてめえだけだし構わねえよ。」
他に着替える場所なんてないし。
「まあ、いいのですが。
燕尾服は慣れるまで着脱が難しいので…お手伝いいたしますよ。」
「はあ?着替えくらいひとりでてきるっつーの。」
と、威勢を張ってみたものの…普段着慣れないアイテムの数々に面を食らう。
これは…なんだ?ゴムのベルト?小袋にピアスみたいなものも入ってるけど…何に使う…?
しばらく考えてはみたが、自分の中で正解のない答えを探したところで時間の無駄だということに気がついた。
「…あの…。」
「はい、なんでしょうか。」
偉そうに断った手前屈辱的だが、伊織に頼るしかない。
「やっぱり着方が…わかんねぇ…。」
「お手伝いいたしますか?」
「お願いします…。」
伊織は待ってましたと言わんばかりに燕尾服に手をかけた。
「まずは、こちらを。」
伊織は説明しながら淡々と着付けていく。
縋る気持ちで、伊織に土下座してみた。
「もう一度言います、拒否はできません。」
ダメだった。
俺は重い足取りで、ハンガーラックに向かう。
「悔しい…こんなのってないぜ…。」
「…そこまで屈辱的に感じられるのであれば…退学を選ばれても構いませんよ。」
「…着りゃいいんだろ、着りゃ…っ。」
ここまで来たらもうやけくそだ。
俺は並べられた燕尾服の中から1着を掴みあげた。
「…ふーん…。」
思ってたより重い。
高級感のあるそれは、見た目以上の重量感だった。
ふと、今朝の伊織を思い出す。
こんな重りをつけていたとは思えないほど、彼の動きは軽やかだった。
歩く時も
俺を拘束する時も
俺の拳を掴む時も。
彼は…一体何者なんだ。
「…どうかいたしましたか?」
不意に声をかけられ、我に返る。
「ああ…いや。なんでもねえ。」
執事修行をしてたらあのくらい当たり前なのだろう。
俺はそう自分に言い聞かせた、伊織に視線を逸らして制服に手をかける。
「おや……こちらで着替えられるのですか?」
「…別にてめえだけだし構わねえよ。」
他に着替える場所なんてないし。
「まあ、いいのですが。
燕尾服は慣れるまで着脱が難しいので…お手伝いいたしますよ。」
「はあ?着替えくらいひとりでてきるっつーの。」
と、威勢を張ってみたものの…普段着慣れないアイテムの数々に面を食らう。
これは…なんだ?ゴムのベルト?小袋にピアスみたいなものも入ってるけど…何に使う…?
しばらく考えてはみたが、自分の中で正解のない答えを探したところで時間の無駄だということに気がついた。
「…あの…。」
「はい、なんでしょうか。」
偉そうに断った手前屈辱的だが、伊織に頼るしかない。
「やっぱり着方が…わかんねぇ…。」
「お手伝いいたしますか?」
「お願いします…。」
伊織は待ってましたと言わんばかりに燕尾服に手をかけた。
「まずは、こちらを。」
伊織は説明しながら淡々と着付けていく。

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