
燕尾服は似合わない
第2章 選ばれた問題児
「わたくしは 御影伊織 と申します。
薫お坊ちゃまのお世話をしております。
高等部3年生。本日から…貴方とはクラスメイトでしたね。
これと言った趣味はございませんが…強いていえば"躾"でしょうか。
以後お見知りおきを。」
こいつらから度々出てくる、"躾"という言葉の意味を俺はいつか知ることになるのだろうか。
ただひとつ確かなことがある。
きっとそれは…生半可なものではない。
ぐるぐると巡る思考の中で、ふたりが俺をじっと見つめているのに気づいた。
俺の番だ。
「あ……ええと、俺は…神城聖奈…です。
高等部…3年生…です。
趣味…とかはないです…。
……よ、よろしくお願いします。」
たどたどしい敬語でなんとか自己紹介を終えた。
背中にはどっと冷や汗が伝う。
言葉の節々に気を配ることがこんなに難しいことだとは。
「あはは、趣味はないんだね。
喧嘩…かと思ったよ。平和でよかった。」
こんなところで趣味は喧嘩、なんて言ったら執事とのブレイキングダウンが始まってもおかしくはない。
チラリと執事の方を見る。
腕は…別に太くない。
どちらかというと、スラリとしていて暴力とは無縁のように見える。
ただ、体幹は良さそうだ…。
「…なにか怯えているようなのでお伝えいたしますが、私から手を出す…なんてことはございません。」
「そ、そうかよ。」
なぜだろう。
まったく安心できない。
「ただし。
お坊ちゃまへ危害を加えようとした際は、その限りではございません。」
そんな気はした。
淡々と告げる声に抑揚はない。
だからこそ、怖かった。
「伊織。」
「失礼いたしました。」
伊織は一礼する。
反省しているようには見えないが。
薫お坊ちゃまのお世話をしております。
高等部3年生。本日から…貴方とはクラスメイトでしたね。
これと言った趣味はございませんが…強いていえば"躾"でしょうか。
以後お見知りおきを。」
こいつらから度々出てくる、"躾"という言葉の意味を俺はいつか知ることになるのだろうか。
ただひとつ確かなことがある。
きっとそれは…生半可なものではない。
ぐるぐると巡る思考の中で、ふたりが俺をじっと見つめているのに気づいた。
俺の番だ。
「あ……ええと、俺は…神城聖奈…です。
高等部…3年生…です。
趣味…とかはないです…。
……よ、よろしくお願いします。」
たどたどしい敬語でなんとか自己紹介を終えた。
背中にはどっと冷や汗が伝う。
言葉の節々に気を配ることがこんなに難しいことだとは。
「あはは、趣味はないんだね。
喧嘩…かと思ったよ。平和でよかった。」
こんなところで趣味は喧嘩、なんて言ったら執事とのブレイキングダウンが始まってもおかしくはない。
チラリと執事の方を見る。
腕は…別に太くない。
どちらかというと、スラリとしていて暴力とは無縁のように見える。
ただ、体幹は良さそうだ…。
「…なにか怯えているようなのでお伝えいたしますが、私から手を出す…なんてことはございません。」
「そ、そうかよ。」
なぜだろう。
まったく安心できない。
「ただし。
お坊ちゃまへ危害を加えようとした際は、その限りではございません。」
そんな気はした。
淡々と告げる声に抑揚はない。
だからこそ、怖かった。
「伊織。」
「失礼いたしました。」
伊織は一礼する。
反省しているようには見えないが。

作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える