お前らめんどくせえから結婚しろ
第2章 勘違いして逃げる女と勘違いされても仕方のない言動を取る男
「ふざっけんな!アンタかよ!」
「随分デカい声だね、那奈ちゃん。」
「そりゃあデカくなるよ!こっちは殺されるんじゃないかと思った!」
「あぁ、そうなんだ。通りでなんか顔引き攣ってるなぁって。可愛かったけど。」
「電話の私の声聞いてて分かんなかったわけ?!」
「どうだろう、こっちも扉開けてもらうのに必死だったんだよね。」
「早く出ていって。速やかに。」
「折角、急き切って来たのに、もう帰れって?」
「いや一言も来いとは言ってない。」
「僕の情欲を掻き立てておいて?」
「え、何の事ぉ...ンッ...ちょっと、イタァい、ヤァだ!はなし...て....ンッ、ンッ...!」
那奈は突如始まった性急すぎる口付けから逃れる事は出来なかった。それは20cmの身長差、体格差、腕力、男女差、様々な方面において、当然黒瀬の方が優っているからである。
白い壁際に追いやられて、噛み付くようなキスを受ける。両手首を壁に縫い付けられた那奈は我が物顔で口腔内に入ってきた黒瀬の舌を拒もうと逃げ回った。だが逃げ回っても絡め取られてリードを取られれば、あっちの思うがままにされてしまうのは時間の問題だった。
それが嫌でガリっと黒瀬の舌先を歯で噛んだ。
「?!んぅ!!ンッ!!ンッ、ンッ!」
てっきり痛みの衝撃で引っ込むかと思いきや、血の滲んだ舌はそのまま那奈の口腔内を蹂躙し始めた。加えて那奈の両手を押さえつけていた黒瀬の両の手は今は那奈の顎と頭に回って、しっかり頭部を固定している。
....手に力、入らな....くるし...
酸素が殆ど入らない為に那奈の両眼から生理的な涙が溢れるが、貪るようなキスをしてくる黒瀬のせいで、それを拭う事が出来ない。
「ぷはぁ、ふぁあ、ハァ、ハァ、ハァッ、ハァ。」
「ごめんね、大丈夫?」
口元を解放された瞬間、立つ事が出来なくなり壁を伝ってズルズルとしゃがみ込んで、ハァハァと肩で息をする那奈に黒瀬は声をかける。
が、当然酸欠が酷い彼女は上手く答える事が出来ない。息を整えるので精一杯だからだ。
「でも反抗する君がとても可愛くて、いじめたくなっちゃった。ごめんね。まだ苦しい?」
那奈と同じくしゃがみ込み、視線を合わせた黒瀬は優しく彼女に問いかける。が、目は獰猛だった。
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