お前らめんどくせえから結婚しろ
第1章 罪な女と怖い男
「拒むなよ。僕のフィアンセだろ?」
.................???
1人で何の話をしてるんだこの男。
.......。
......。
.....え、私じゃないよね?違うよね?
.....え、怖い怖い!何起きたの?怖い!!
「すみません、あの....誰が、誰のフィアンセで?」
那奈は冷や汗を垂らしながら、黒瀬にそう尋ねた。
「フィアンセは君の事はさしているけど?」とサラッと良い笑顔で言われてしまった。
.......なんで?どうして?どうなったらそういう思考回路に?いやどうしよう、これ同感も出来ないけど、訂正したら確実にヤバい目に遭う、どうしよう、ヤバい奴とセックスしてヤバい事になってる。マジどうしよう....。
「ねぇどうしたの?顔色悪いよ。」
「え、あ、うん、えっと...。」
しどろもどろになっていく那奈の姿に、黒瀬の口角はひとりでに下がっていく。そして今は氷の如く冷たい双眸と引き攣った口角が嫌でも目に入り、那奈は鳥肌が立つのを感じた。
「最低。ハッ、弄ばれたの?僕の純情返せよ。」
「いやこっちも弄んだつもりはなくて...えっと「ああだから肉便器とか記憶喪失とか意味不明な事言ってたのか。童貞卒業したんだから後はお終いって?良いご身分だね。流石下劣な阿婆擦れ女。」
「......はいはい、何と言われようが結構ですが、貴方の結婚価値観も如何なものかと思いますが?」
「....どういう意味で?」
「一回抱いたくらいで彼氏面通り越して婚約者気取りは気持ち悪い。」
「...は?貞操観念と股ゆるすぎ。品性何処にいってんだよ。枯れた?淫売。君、いくつだよ。」
「とっくの昔に枯れきってますけど何か?」
うわぁ、めんどくさくなってきた...。
そうは思いつつも、日に油を注ぐしかない暴力的なキャッチボールは止まらない。黒瀬と言葉を交わせば交わす程、部屋の空気が険悪なものになっていく。
そして一方は「時間と初恋を返せ。今すぐ超能力を使って返せ。」という無謀な事を言い始め、もう片一方は、「無駄な口論という1ミリの価値にもあたらない時間を貴方の謝罪で終了させてくれ。」という主張である。
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