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幻想遊園地

第3章 第3話:福音書

「さあ 『祈り言』を」
「この『世界』に囚われた無数の真の光達・・・アイオーン達に
  お前は真実の救済を与えるだろう」

ー世界は? どうなるのです?

ボクはやっと『彼』に言った

「世界は光に戻る」
「命は無に戻る」
「全ては王国に帰るのだ」
「さあ 『祈り言』を」

そう・・・そうだ。
『ボク』が『祈り言』を唱えれば、
この神の座は全て崩壊し、創造神によって造られた、
あの『世界』・・・ボクが育った『世界』は、消えてなくなる。

父も、母も
友人も、恋人も、
ボクを育ててくれた全てが無に帰る。
アイオーンたちが王国に帰る、そのために・・・。

『ボク』は帰りたい。
ボクは・・・

ー嫌です

数瞬悩んだが、ボクはハッキリと言った。
『彼』の光が一瞬だけ揺らぎ すぐに静かになった。

「ユダよ」
「我が、真の名を知る者よ」

『彼』の光がまた揺らいだ
『彼』は笑った

「お前は私に抗うことは出来ない」
「王国での約束がある限り」
「かつて お前に救いを 与えた私を」
「かつて お前にだけ 王国の秘密を教えた私を」
「お前は二度と傷つけることはできない」

チリン、チリンと
銀貨の音がする

古の記憶
一度目の『彼』の言葉・・・
『ボク』の魂の光が それを覚えている

「さあ」
「イスカリオテの ユダよ」

ーガ・・・

『ボク』のくちびるが 『祈り言』を紡ごうとする
ボクはくちびるを噛み締めそれを押し留めた

「お前は光だ」
「お前だけに 与えられた『言葉』だ」

「一度目は 私だけが 『言葉』を知らされた」
「この世界に刈り取られるとき」
「他の全ての光達が あらゆる記憶を失った中」
「私だけが 王国の秘密を 忘れずにいた」
「だから私だけが 全てを『救う』ことができた」

「ただ 私が知ったのは 王国の秘密だけだった」
「『偽りの王国』の秘密を 私は知らなかった」

「だが お前は知ったのだろう」
「お前と私は 二度 この世界に踏み込んだ」
「どちらかが この『偽りの王国』の秘密を知りうるとわかって」
「知った方が この王国からすべてを解放することができるとわかって」
「知った方が『※#%※』となるのだと」

『彼』がボクに迫る。

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