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夜這い

第4章 後悔、反省、そして…

次の日、朝起きると昨夜の行動を振り返った。

夢や妄想ではなく、現実に妹の部屋に忍込み、変態的な行為をした。

それが現実だと思うと、心臓がドキドキして治まらない。

罪悪感とバレていないだろうか?という不安…。

僕は、平静を装っていつも通り朝食を食べていた。そこへ妹も現れた。いつものように制服に着替えて髪も整えている。兄の僕から見てもかわいい。

しかし今日は、妹の姿を見ただけで不安で心臓がバクバクした。

妹が僕の向かいに座ると、

「お兄ちゃん!」

と、感情のない声で言った。僕は、ビクっとしながら妹を見て、

「何?」

と言うと、妹は、

「お醤油取って!」

と言った。僕は、動揺を隠しながら、

「ああ…」

とだけ言って、目の前の醤油を取って妹の前に置いた。妹は、感情のない声で、

「ありがと!」

と言った。これはいつものことだ。決して仲が悪いわけではなく、朝はお互いに忙しいし、テンションが低い。笑顔や楽しい雰囲気はないが、それが普通だ。

それから黙々と朝食を食べると、僕は妹より先に食べ終え食器をシンクに入れて自分の分の食器を洗った。

母親は、朝食の用意をしたあと洗濯や自分の出勤の準備等をするので忙しく自分の食器は自分で洗うルールだ。

父親はこの時間、既に出勤して家にはいない。

僕は、いつも起きたままの格好で食事をするので、これから着替えて学校へ行く準備をする。家を出るのは、僕が一番最後だ。

そうこうしているうちに、妹は、

「行ってきます!」

と言って出て行き、母親も

「行ってくるね!鍵閉めてってね!」

と言って出て行った。

そして最後に僕が鍵を閉めて出て行く。

妹にはたぶん昨晩のことは気付かれていないと思った。たぶん大丈夫だ。僕は少し気が楽になった。

そして、誓った。もうあんなことはやるまいと…。




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