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HEAVEN~時を超えて~

第8章 記憶の彼方の契り

『なんか…久しぶりに夢みた』


少し寝ぼけ眼で
真は朝食を取りながらポツリと話す



『へぇ、どんな?』


『ぅん…なんか海の底みたいな山の頂上みたいなお城で』 


『随分と…180度ひっくり返った世界だね…クスクス』



『そうそう、あたしなんか変な格好しててね』


『へぇ…どんな?』


『あの、こういう…変な髪型してるの
あるじゃん、なんか…8みたいな形のさ』


『ハチ?…蜂?・・・鉢??』




身振り手振りで楽しそうに話す
まったく語彙力のない真の話に相槌をうつ


『ちがうってば〜もぉ
ほら、ああいう…かぐや姫とか竜宮城みたいなさ』


『かぐや姫と竜宮城…まったく接点ないよね
歴史もおとぎ話も、マコトにかかるとあったものじゃないね…ふふふっ』


『んもぉ…カタブツ。』



『クスクス…はいはい、それで?』



『馬に乗って走ったり、風が気持ちよくて』


『ふふ』



『そうそう、、なんかねあたし

民族衣装みたいな…変な服着てるの…ふふっ』



・・・・。



『・・・。・・・』




『今思えば笑っちゃう、夢って感じの夢』





『それで…マコト、どうしたの?』





『ぇ…?…うん…・・・あ、そうそう

綺麗な〃笛の音〃がして…』



『・・・・・』



『背中しか見えなかったけど…笛を吹く人を

馬に乗って、追いかけてた』





『それで…?』




『え?・・・うん…なんか…

鏡に映った様に見えたり、自分の目線で見てたり

上から自分を観てるような景色だったり…かな

夢って、そういう感じじゃない?…そんな感じだった』




『そう…』




『カイキ?』



『他には?』




『え…』



『いや・・・・恐い思いはしなかった?』




『?・・・うん』



『クス・・・そう。恐い夢じゃなくてよかったね』

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