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HEAVEN~時を超えて~

第7章 空気

『ねぇ…カイキ?…怒らないで聞いてくれる?』



ある夜、真は僕の腕にぴたりとくっついたまま
中々眠らずに話し出す。




『ん?…うん』






『カイキってさ…実は…あたしのこと

誰かと間違えてる・・・なんてことないよね』



・・・・・。




『ふふ…どんな根拠があるの?』




間違える?

何を…どうまかり間違えたって

そんな事がありうるはずがない



『だって、、カイキはあたしを知ってるって言うけど

…ごめん、あたしは…どうしてもあなたのこと知らないもの』




『・・・・』





『どこで会ってたの?…そろそろ、少しくらい教えてよ』




『・・・』



『幼稚園バスの隣だった…わっくん?
ゃ、、さすがにそれはないか・・・

いつも公園であたしにお菓子くれた…えっと、あの子?

それとも
遠足で迷子になった時に助けてくれた…あの中学生?

学校のイベントの手伝いに来てくれてたお兄さんの誰か?』



『マコトにそんなに〃男性遍歴〃があるなんて
なんか妬けてきちゃったなぁ・・・』



『な…遍歴…ってなによ』




『クスクス・・・』




『~だって、、ここ最近逢った人って風じゃないじゃん』




『ふふ・・・・』






『じゃあ、あたしがいくつのときから?』






『10歳』




『ぃ…』



シーーーン



真…聞いておいて本気で固まるとかなしじゃないか



『ふふ…まぁ、この時代だからね
その時にアプローチしたら色々と一発アウトでしょ。
だから大人になるのを待った』




『・・・。ほんとに…ほんとだったんだ』


カチコチになって真は答える



『で?・・・何普通に逃げようとしてるのマコト?』



『ゃ・・ヤバい人・・・やっぱ…ろ、ろり…ろ』



タジタジする真を後ろから抱えて毛布に包む




『ちゃんと時を❝待ってた❞んだから…マトモでしょうが』




『ぁー、、、そう言われれば・・・そっか』



『ぷ・・・』



『どうもこうも❝決まってた事❞だからだよ・・・』



単純で・・・いつも危なっかしいから

手を伸ばすに伸ばせない長い時間は

何年も見守るの、大変だったんだからね

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