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HEAVEN~時を超えて~

第7章 空気

『マコト…やっぱり具合が悪かったの?』


ひっくり返した荷物から検査薬を拾って真に問う



『ちがう…けど…また来なくなったら…
今度は…そういう心配しなきゃならない…だから』



『うん。そっか…あぁ、そっか』


『……』


『マコト…〜それでまた悩んでたの?ふふ、ごめんね』



『〜〜…』



『マコトさ、ところで…どうして?

〃コレ〃使いたいの?』


僕は紙袋から中身を出して真の手に乗せる



『ちょ…っ・・・どうして、って…聞く?普通』



『ふふ、だってマコトの気持ちをちゃんと聞かないと
こうやってまたマコトを困らせちゃうからさ』




『〜〜…』



『感染予防?…
それは著しく可能性低いとして

じゃなかったら?・・・あとはひとつ
マコト…妊娠するのが嫌だから?』



『・・・普通聞かないでしょ…』



『ハハハ…そっか』



『そっか、じゃないよ…』



『マコトは…赤ちゃん出来たら嫌?』


『・・・〜』



『他に理由は?』



『え?…』



なさそうだから
僕はせっかくの真からの初めての贈り物を
ポンと彼女の手に返した



『ちょ…っと?』




『クス…それは受け取れないや』




『な…っ』



真はこの世の終わりみたいな顔をした


そして…



『そっちこそ…どうしてよ』



『うん?』




『避妊…してくれないのは…なんで?

面倒だから?…自分には関係ないから?

付けると自分が…キモチ…よくなれないから?

ナカで…出さなきゃヘーキ?・・・それとも

自分は〃しくじらない〃とか思ってる謎理論?

勝手だよね…男の人って・・・最低…』



呆れ半分、絶望半分
そんな眼差しで真は僕を見あげた



あぁ、そっか…
そういう事か…また悩ませちゃったのか
ほんと失態だらけだな僕




『僕?…理由?・・・うん、ひとつだよ』



だから僕はありのままに真に伝えたよ




『…』




『〃邪魔〃をされたくないから』




『え…』



『例え0.01…何ミリ以下であっても

マコトとの間に邪魔を入れたくないんだ』




『…正気…?』



『うん?…それだけ』

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