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微熱に疼く慕情

第12章 【盲目的な愛が辿る一途】






美樹ちゃんが私と同じ共同経営者で起業した子です
お目々ぱっちりで笑うと両方にエクボがあって可愛い
転職先で知り合って何故か意気投合し、共に起業する相手になるとは巡り合わせって不思議なものね



まさかのクリスマス当日に入った依頼
勿論、デートの予定があるからだろう
お客様の要望以外にもこちらから似合うデザインを提案する事の方がどちらかと言えば多い
お客様もSNS等にアップしてくださり、口コミが広がるという有り難いケースだ



「わぁ、ありがとうございます、めちゃ可愛い、嬉しい」



移動も大変だけど、このお客様の笑顔と言葉で救われる仕事です
頑張って良かったって思える瞬間
今日、明日と予約が入っているのでホテルに泊まる事になっている
クリスマスとあって、街は華やかでイルミネーションがあちこちで輝いていた



周りは勿論、カップルだらけだけど
どうしても美樹ちゃんがイルミネーション見たいって言うもんだから少しだけ歩いてみる事にした
ねぇ、女2人だよ?不満言ってなかった?
そんなのお構い無しで写真撮ってる美樹ちゃんを私が撮るという謎行動



「一華さん見て、あっちにフォトスペースありますよ」


「行く?」


「行きたいです!」



若いなぁ、と思いつつ、妹みたいな美樹ちゃんに弱い私
「一華さん、早く早く」と手を引かれる
恥ずかしいけど、頼んでツーショットを撮ってもらったりした



「さぁ、帰ろう」と振り返った時に後ろに居た人とぶつかりかけて
「すみません」って頭を下げたら「一華?」と呼ばれた
一瞬で、その場の空気がフリーズした気がした



え…?まさか……そんな……



「久しぶりだね、あれからずっと気になってた」



この声、背丈、纏う空気、全部覚えてる
脳が錯覚する
涙腺が緩んでしまう




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