
微熱に疼く慕情
第12章 【盲目的な愛が辿る一途】
「皆、別れて欲しいんだな?」
「……はい、ごめんなさい」
優しい樹くんもティッシュを持って来てくれる
「彼氏の立場としてどうなの?」
明島さんが隼人さんに話を振ってきた
「……腸煮えくり返ってますよ、正直、でも……俺も強く言えないというか、一華だけを責めるのも違うというか」
「知ってた?それとも此処に居る誰かと一華で3Pでもした?」
「なっ…」
「あぁ、したんだ?元カレくんと?ごめんね、俺、何でも調べちゃう性格だから」
わかってて明島さんは誘導尋問してる
此処に集めたのだって明島さんの仕業だ
共通認識を持たせて立ち会いのもと、別れさせる
全てわかった上で、私に決めさせて、揉める事のないように纏め上げるつもりだ
「一華は皆と別れたいんだって、勿論、俺ともだよな?」
「……はい」
「ナースくんは別れたくないみたいだけど、もう一華が困っちゃうから飲み込んであげな?俺らも、腹括ってこれからの事決めていかなくちゃいけないわけだ」
改めて、申し訳ない気持ちでいっぱいになる
許されない事はわかってる
性に溺れた女の末路なんて見てられないね
最後は泣いて土下座だなんて笑っちゃう
失うくらいなら先に手放しておけば良かった……
ううん、違う
どう足掻いても私が手放せなかった
誰かを選べなんて言わないで
ここで終わりにする
ちゃんと反省するから
心入れ替えて這い上がるから
こんな終わらせ方でごめんなさい
「他に言いたい事ある人居る?後からネチネチと言い出しだりこそこそ会いに行ったりするの禁止な?俺らはそうなっちゃいけない、わかるよな?此処で、綺麗さっぱり断ち切る覚悟で居てくれ、勿論俺もそうだ、此処に居る皆が証人になろう、あと……お前も、二度と俺らを振り回す事だけはしないでくれ」
「………はい」
