
微熱に疼く慕情
第12章 【盲目的な愛が辿る一途】
「だってさ、一華は惚れさせるの上手いからなぁ〜毒されちゃって、この2人の人生、もうとっくに狂わせちゃってんだよ、どうする?もう此処で答え出してやらねぇと」
わかってる……わかってるよ………
此処に居る皆が立ち会い人って事でしょ
私がちゃんと答えを出さないと何も解決しない
誰かに力を借りないと自分1人じゃ前に進めない
愚かで浅はかな人間……それが私
頭ではわかってる
別れなきゃって
もうこれ以上引き伸ばしちゃダメだって
解放してあげなきゃ
私がこの手を離してあげなきゃ
「彼氏の前で、ちゃんと言えるか?」
さっきから目の合わない隼人さん
もう呆れてものが言えない状態だよね
皆と終わらせて、あなたとも終わる
それが一番ベストなんだってわかってるから
旺志郎くんの目を見て、俯いて、また顔を上げる
言わなきゃ………もうここまで出かかっている言葉
震える右手を押さえる
「今まで…本当にごめんなさい………私と、ゎかれてください」
「嫌です」
「え…?」
「僕、一華さんの気持ちを尊重するって言いましたけど、それは本心の時なので……今は本心じゃないですよね?僕の事、何とも思ってないならあげた花もあんな大事に保管しないでしょ?」
あ……テーブルの上に置いていた青い薔薇
クリスタルフラワーにしたの、昨日届いて取りに行ったんだった
「ごめんなさい、困らせて……でもその目は本心じゃない、心から離れたいと思った時に今の言葉受け入れて良いですか?彼氏さん居るのにすみません」
ダメだよ……こんなんじゃ
また皆を苦しめる
ぶわっと溢れ出てしまった
一歩下がって再び皆に頭を下げる
「お願いします……こんな私、どうしようもない、何の価値もない、だから……見限ってください、お別れしてください……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめん…っ」
