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微熱に疼く慕情

第12章 【盲目的な愛が辿る一途】






「どういう事?何なの、この人たち……何で谷川も?」



一番動揺してるのは隼人さんだった
無理もない、一気に集まって私も顔色ないでしょ



「ごめん、此処じゃ何だから」


「え?家に入れるの?何で?」



異様な空気、早くこの場から立ち去りたい
誰かに見られるのも嫌だし
幸い人通りは少なく、住人にも出くわさずに済んだ



普通のOL女が住む1LDKのマンション
エレベーターも狭苦しい
鍵を開けて家の中に入ってもらう
初めて玄関が靴だらけになった
自分の家なのにもう出て行きたい
逃げ出したい
トボトボと皆の居座るリビングに戻る



ソファーには当然座りきれなくて立ってる人、
床に座る人も居た
座布団クッションを渡して座ってもらう
立ち尽くしたままの私は耐えきれずにキッチンでお茶を淹れようとしたけど、またもや明島さんに止められた
座れ、との事らしい
皆の前で正座する



「見覚えのない顔は?これで全員か?まだ居るなら正直に話して欲しい、こういう事は一度で終わらせたいだろ?」


「……はい、他は居ません」



顔上げれない、皆の視線が痛い
地獄の制裁だ



「あの、コレ何ですか?というよりあなた達、誰ですか?」



この中を仕切る明島さんに対しての不信感が存分に表れている隼人さん
そりゃそうです、私が怠惰していた結果だもの



「何だ、一華、何にも話してないのな?まぁ、無理ないか、でももう全部曝け出してしまえよ、良い機会だろ?いつまでもこんな状態続けるわけにもいかないんだから」


「………はい」


「キミが彼氏?じゃあ、一華の口から紹介してやれよ」



え……私?いや、そうだよね
こんな状況、作ったの私だもん
ごめんなさい、隼人さん
もう見限られる覚悟で顔を上げた





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