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微熱に疼く慕情

第12章 【盲目的な愛が辿る一途】






「あぁ、ダメダメ、帰っちゃダメだよ、君も知る権利があるからね」


「え?」



終わった………と覚悟せざるを得ない状況
大智に全部話して私と引き離そうといった魂胆かな
なかなか行動に移さない私に痺れを切らしたんだよね
確かに男関係を清算しろと言われた
でも端からそんなつもりはなかったし、出来ないって思ってた
とうとう全部バラされて失うんだ、私……



「一華、俺の言った事覚えてるか?俺は本気だよ、お前しか見てないんだからな」



ただならぬ空気に大智も動揺してる
私は少なくとも想定内の範囲だった
後回しにしてきたツケを払わなきゃいけない時なのかも



「何かよくわかんないですけど、穏便に済ませましょうね?彼女が怖がる事はやめましょう?」



どんな時でも大智は優しい
明島さんに弱みでも握られてるんじゃないかって思ってるのかな



「大丈夫……ちょっとだけ付き合ってくれる?」


「え?本当に大丈夫?俺は別に良いけど」



大智にそう言って明島さんを見た
ジャリ…とまた靴音が聞こえてきて
「おう、来た来た」って言うから振り向いたら……
あぁ、そういう事か、と全てを悟った
ぞろぞろと近付いて来る
一体、どんな手を使って集めたのか



私を囲むようにしてクルリと回転しながら皆を見つめる
とうとう、この時が来てしまったんだね



大智と明島さん以外に、
黒崎さん、樹くん、旺志郎くん、谷川さん、
そして、最後に、隼人さん……全員揃ってる
異様な雰囲気に負けじと明島さんを見る



「話し合いをしよう、一華」


「……はい」



このフルメンバーで話し合い?
これが最大のお仕置き?
今まで何度も明島さんには逆らえずにいた
明島さんが全てだったよ……
それが今は違うから怒っちゃったの?
生きた心地がしない…とはこの事だ



しっかりしないと……






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