
微熱に疼く慕情
第11章 【普遍的な真理】
「んふふ、やーだ」
「コノヤロウ!」
渾身の根回しで先輩からの疑いは掛からなかった
自分の事をちゃんとしただけなのに黒崎さんは拗ねている
可愛いな、年上の嫉妬丸出しほど擽られる事はない
「ごめんなさい、もう終わり、もう他の人の事は考えない、圭吾さんの事だけ」
「当たり前だ」
「ねぇ、本当ごめん、許して?」
きっとそっぽを向くだろうから両手で頬を包み込んで視線を合わせる
わかってる、イチャイチャしたいだけでしょ?
口角が笑ってるもん
「名前呼び、不意打ち過ぎるのわざとだろ?」
「ん、ずっと呼ぼうか?お望みならそうしますけど?」
「“さん”は要らねぇ」
「え、本当に?年下だけど良いの?」
「一華だけは許す」
何か、言い回し方が明島さんに似てる
一緒に居るとそうなっちゃうのかな
チュッと唇に触れた後に私も口角を上げて微笑む
「大好きだよ、圭吾」
「あ、ヤバ、ヤバいな、それ」
「ふふふ、そっちが呼んでって言ったんじゃ〜ん」
「そうだけど、ヤバいわ、本当あざといな」
「じゃ、元に戻す、黒崎さんのバカ…」
「やめんなって、これからは2人の時はその呼び方で」
「明島さんと3人の時に出ちゃったらどうしよ…」
「あ、今、それはそれで良いかも…とか思っただろ?お仕置きされるの妄想してんじゃねぇよ」
「アハハ、バレた?うそうそ、ちゃんと守る、でも自然と出ちゃってたらごめんなさい」
両手万歳させられて頭の上でクロスで押さえてくる
スイッチ入った熱を帯びた目、好きです
バスローブのウエストリボンを解いてきた
目線で追っていたら
「今からどうされたいんだよ」って意地悪な事を聞いてくるの
わかってるくせに……
